過去と現在が織り成すノクターンが奏で始めるとき、誰もが初めから地に足をつけていなかったことに気づく。 そう――「落ちている」と。(お題「おちる」より)
1789年オーストリア東部の都市アイゼンシュタット――男は友の死の真相を突き止めようと街に降り立つ。
現在、日本のとある町――女は迫る死を前に心の整理がつかずにいた。
交わることのない過去と現在はやがて触れ――。
- 第1楽章.掬い上げた愛おしさが、てのひらから零れ落ちる
- 第2楽章.留めることが出来ずに、涙だけが流れ落ちる
- 第3楽章.隠し続けた素顔から、仮面が剥がれ落ちる
- 第4楽章.直視出来ない現実に、心が砕け落ちる
- 終 楽 章.罪悪に苛まれ、この身を闇に堕とす